講師:外池 大亮氏(元Jリーガー 広告代理店勤務)
今回講演してくださった、外池大亮氏は湘南ベルマーレ、横浜FマリノスなどJクラブ7チームを経験し、通算217試合出場、38得点という輝かしい記録を残しました。2007年限りで現役を引退。2008年4月からは大手広告代理店に就職し、大手飲料メーカーの営業を担当。Jリーガーから広告代理店へと華々しい転職を遂げ、現在もサッカーに関わる仕事で活躍されています。
講義では、前半は11年間のプロ生活をクラブ毎に振り返っていただき、当時のチーム状況、置かれていた立場やエピソードを交えながらお話いただきました。後半は引退間近から引退後の話を中心に、セカンドキャリアと当時行っていたインターンシップの内容、引退後の現職に就くまでの経緯や現在の仕事などを自身の想いを踏まえながらお話いただきました。
■プロになるまで
少年時代は野球に夢中。少年団のコーチに誘われて始めたのがきっかけだった。
当初はJリーグができて間もなく、サッカーで生計を立てていこうとは全く考えてなく、大学時代も一般企業の就職活動をしていた。ただ、「サッカーを通して人間的に成長していきたい」という想いは常に抱いていて、早稲田大学在籍時にプロ選手と直に接することで次第にプロへの道が開けてきた。
■11年間のプロ生活
最初に入団した平塚では親会社撤退も経験。現在の湘南ベルマーレの「地域に密着したスポーツクラブ」への転換を経験することで、サポーター・地域の人の熱い想いを実感する。
横浜F・マリノスではファーストステージ優勝を経験。中村俊輔とのホットラインを構築。
ヴァンフォーレ甲府ではベルマーレ平塚同様、地域の人々のクラブに対する熱意を実感。年間を通じて“サポーターMVP”に選ばれる。 数々の移籍、解雇、コンバートなどを経験することで広い視野を持つことができ、「自分の中でブレない芯を持つことが大切である」とサッカーを通して日々自身の成長を考え、練習・試合に取り組んでいた。
■セカンドキャリアについて
現役時代からオフシーズンを利用してインターンシップを実行。サッカー以外の仕事を経験することでサッカー選手の仕事を違った視点から見ることができて、自身のプレーにも好影響を与えた。
プロを始めた当初から「サッカー選手がそのままサッカーの現場に就くことに違和感を感じていた」ので、一度自分の目で一般の企業を見たいという想いを持っていた。
現役中にセカンドキャリアを考え、できることを実行することは大切で、そうした経験が自分を高め、さらにサッカー選手としてプレーする責任を実感させてくれた。
■現役引退から転職までの道のり
現役最終年に「自分の中で全てを出しきってから引退しよう」と考え、自分を変えることに全力をささげた。今となっては「サッカー選手としてやりきった」と思えることは自分の誇りである。
インターンシップでお世話になった企業からいくつか誘いは受けたが、自分が一番成長できると感じた今の会社を選択。
■現在の仕事
大手飲料メーカーを担当していて、選手とはまた違った角度からサッカー界を支える立場となった。この歳になって社会人一年目はいろいろと苦労しているが、“仕事に対して真剣に向き合う”という点は選手時代となんら変わらず、日々忙しく有意義な時間を過ごしている。 選手時代から変わらず抱いている「自分を成長させる」ことを常に意識し続けて仕事に取り組んでいる。
■講義のまとめ
・サッカー選手、社会人に関わらず誰でも生きていく上で「自分の中でブレない芯を持つ」ことが自分を高める近道であり、その仕事を長く続けていく秘訣である。
・一つの視点だけではなく違った視点から物事を見つめることができれば、自分の視野を広くする。
・常に「自分を成長させよう」という向上心を持つことが大切である。